過労死を防げ 〜疲労研究 最前線〜

NHKクローズアップ現代 6/6 「過労死を防げ 〜疲労研究 最前線〜」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2005/0506-2.html

「疲れ」のメカニズムに迫るっていう、非常に興味深い内容でした。
脳には疲れを察知する見張り番をしてる部分があって、脳の疲れを察知すると見張り番が脳幹に知らせ、セロトニンを脳全体に分泌させて脳が疲労から回復するというメカニズムが分かってきたんだそうです。それでも休まないで脳を使い続けてあまりにも疲れると、今度は見張り番が疲れてしまって、疲れているのにセロトニンが分泌されなくなり、脳の回復ができなくなるそうです。こうして、疲れたという感覚がなくなったまま働き続けることになるんだそうです。
そう言われてみれば、休みが取れなかったりして働きづめのときって、あんまり疲れてるって感じがしないことがあるなぁ。それなのにやっと休みが取れると、昼過ぎまで寝てしまって、あ〜やっぱり疲れてたんだって気付いたりします。空腹感も通り過ぎると空腹って感じなくなるけど、似たようなものなんでしょうか。
疲れを客観的に測る方法も研究が進んでいて、脈を測ったり、唾液のウイルスの量で測定できるそうです。
脈って実は一定の間隔で打っているものではなく、常に間隔が揺らいでいるんだそうです。疲れているときはその揺らぎの幅が狭くなって、それを測定することで疲れていると分かるそうな。疲れて脳が体の調整をうまくできなくなっているからではないかと考えられているようです。
もう一つの唾液中のウイルスの量で測定するほうも、実におもしろいものでした。ほとんどの人が持っているウイルスで測定するそうで、普段は体中の血液に散らばっているウイルスが、宿主が疲れているのを察知して、危ないから逃げ出そうとして口に集まってくるんだそうです。利口だなぁ。
疲れの見張り番の話に戻ると、前頭前野の働きによって疲れの見張り番の働きを抑制することもあるそうです。この仕事をどうしてもやらないといけない、なんて考えると、見張り番の機能を抑制してしまうそうです。
まじめな性格の人は要注意ですね。この抑制と疲れすぎの二つのせいで見張り番が働けなくなると、どこまでも働き続けるマシンになってしまうってことです。
自分が疲れてることが分からない、これはつまり、「疲れてないよ」っていう自己申告は全然当てにならないってことです。
そして、疲れすぎて脳がずっと興奮状態にあることで、体の調節系がうまく働かなくなってしまうということみたいです。

今日の放送は、深夜にでも再放送するべきだなぁ。過労死するほど働いてる人が見れる時間にもう一回放送しないといけないよ、これは。

あなたはちゃんと休んでいますか?疲れも感じないほどに疲れていませんか?

(追記)BSで夜中に再放送やってました。もう一回見たので少し本文修正。
これはデスクワークなどを調査して分かったメカニズムで、今後は運動による疲労なども研究すると言ってました。